お知らせ
●「健康診断」・・・検査項目と、結果の見方

 検査結果には基準値と異常値があります。しかしこの値は「わずかでも基準値をはみ出せば異常である」ということではありません。
 基準値とは検査の結果得られた数値が、ある範囲内にあれば発病しにくい値であって、これは長い間、大勢の人のデータから得られた「標準的な値」です。
 なお、この値は各健診機関により、検査の方法や検査の条件が違いますから多少差異が生じる場合があります。
 健康診断では、個々の検査項目ごとに検査結果の良し悪しを判断するというより、検査結果の全体をみて、そのときの健康状態を医師が総合的に判断しますから、勝手に自己判断しないようにしましょう。仮に個々の検査結果が基準値範囲内の数値であっても、医師のアドバイスがあるときは、日常生活の中で改善する努力をしてみましょう。
1.検査項目と、結果の見方
白ヌキ文字の検査項目は基本健診、の検査項目は特定健診の項目です。総合健診は全項目を実施します。
検査項目 検査の目的とチェックできる異常 ○基準値・●異常値




問診 医師に自覚症状を説明したり、医師から質問を受けたりすること。それにより、
日常生活のなかで、病気を引き起こす可能性があるかどうかを探る。
診察 医師が直接聴打診をし、現在の健康状態を知り、診断に役立てる。



BMI指数
標準体重の基準(BMI)
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
病気になる確率が最も低いのは「22」とされています。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
肥満度から、心臓病、高血圧症、糖尿病、変形性関節症などの合併症が起こる可能性をを調べる。
普通体重18.5〜25.0未満
低体重18.5未満
  肥満傾向25.0〜30.0未満
肥満30.0以上
体脂肪率 体重に対する体脂肪量の割合(体脂肪率)を測定し、肥満の度合いをチェックする。  
腹囲 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の指標となるため、ウエストを計測します。 ●男85cm以上
●女90cm以上


視力 近視、遠視のチェックをする。 ○0.7以上
聴力 難聴などの異常のチェックをする。 ○1,000Hzは30dB以下
○4,000Hzは40dB以下


眼底カメラ検査 網膜を写真撮影し、動脈硬化、糖尿病、腎炎、脳出血の発病を予知する。 発見できる主な病気
動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、腎疾患、緑内障、白内障など。







血圧測定 高血圧は、心臓、血管、腎臓、内分泌や代謝系の異常を知る手がかりとなる。高血圧が続くと脳出血、脳血栓、心筋梗塞になりやすくなる。一方、低血圧は心不全や著しい貧血などを除き、ほとんどの場合心配はない。
収縮期(最大)血圧 130以下
かつ/または
拡張期(最低)血圧 85以下
胸部X線検査 レントゲン撮影により、呼吸器系、心臓とその周辺組織、消化器系の一部、胸部を形成する骨格系などの異常をチェックする。 発見できる主な病気
気管支疾患、肺がん、肺結核、心臓疾患、食道疾患など。
心電図 心臓の拍動から微細な電位変動を捕らえて、心臓の収縮や筋力などの異常をチェックする。 発見できる主な病気
不整脈、狭心症、心筋梗塞、心肥大など。



総コレステロール
(T−Cho)
動脈硬化をチェックする検査で、血中のコレステロールが多くなると動脈硬化を起こしやすくなり、また少ないと血管が破れやすくなったり、ホルモン分泌が少なくなったりする。 ○220未満(mg/dl)
中性脂肪 皮下脂肪の主成分で、肥満の主要因である。血中の数値が高くなると動脈硬化が促進される。 ○150未満(mg/dl)
高比重リポ蛋白コレステロール
(HDL−C)
HDLコレステロールは動脈硬化の危険予防因子として働くため、これが少ないと動脈硬化が促進され、狭心症や心筋梗塞などになりやすくなる。 ○40以上 (mg/dl)
低比重リポ蛋白コレステロール
(LDL−C)
動脈硬化を促進する危険因子の悪玉コレステロールをチェックする。 ○140未満(mg/dl)




AST(GOT) 肝臓、心臓、骨格筋などに障害があると数値が上昇する。肝障害だけではなく、心筋梗塞、筋肉疾患でも高い値を示す。急性肝炎が進行中のときは、GOTよりもGPTのほうが高くなる。 ○0〜40(IU/L)
ALT(GPT) ○0〜35(IU/L)
γ-GT(γ-GTP) 飲酒や肥満などと相関する酵素で、特に飲酒による肝障害のチェックに役立つ。 ○男0〜40
○女0〜30 (IU/L)
アルカリフォスファターゼ
(ALP)
肝臓、胆管、骨などに広く分布する酵素で、主に肝、胆道系の疾患を知る手がかりとなる。
3.0〜10.0(KA.U)、
90〜330(I.U.)
硫酸亜鉛反応
(ZTT)
γ−グロブリン量を測定し、肝疾患などの有無をチェックする。 ○4.0〜12.0(K.U.)
血清総蛋白
(TP)
血清中の蛋白濃度から、栄養の状態や肝臓、腎臓の機能をチェックする。 ○6.5〜8.0(g/dl)
チモール混濁反応
(TTT)
血清の成分に試薬を加え、混濁や凝固の程度から、肝機能の状態を知る手がかりとなる。 ●5以上(K.U.)
アルブミン
(Alb)
アルブミンは肝臓で合成されるため、血清総蛋白に対する割合から、栄養状態や肝機能障害の程度が分かる。 ○3.5〜5.0(g/dl)
アルブミン・グロブリン比
(A/G比)
血清中のたんぱく質は主にアルブミンとグロブリンで、アルブミンは肝臓のみで造られるためその比率から肝機能障害の程度が分かる。 ○1.20〜2.00


尿

尿蛋白 主に腎臓障害の有無をチェックする。
陰性(−)
疑陽性(±)
  陽性(+1以上)
尿潜血 肉眼ではわからない尿中の微量の出血をチェックし、腎・尿路系の疾患を知る手がかりとする。
陰性(−)
疑陽性(±)
  陽性(+1以上)
尿素窒素
(BUN)
尿素に含まれる窒素などの量を測定し、腎機能障害などの疾患を知る手がかりとする。 ○8.0〜20.0(mg/dl)
クレアチニン
(CRT)
クレアチニンはほとんど尿のみで排泄され、腎機能の軽度の低下でも上昇するため、腎機能障害の早期発見に役立つ。 ○男0.7〜1.4
○女0.5〜1.3 (mg/dl)
尿酸
(UA)
血中尿酸量(生体内プリン代謝の終末産物)を測定し、痛風などの疾患を知る手がかりとする。 ○7.0以下 (mg/dl)





尿糖 尿糖の有無と血糖の濃度を測定し、糖尿病を発見する手がかりにする。また、内分泌疾患、膵疾患の発見にもつながる。家族や親戚に糖尿病の人がいる方、また最近、疲れやすい、のどがかわく、尿の量が多い、お腹がすいてしょうがない、だるい、体がかゆいなどの症状があるときは要注意。
陰性(−)
疑陽性(±)
  陽性(+1以上)
 
空腹時血糖 ○100以下(mg/dl)
血清アミラーゼ 膵臓に異変があると、膵液の消化酵素(ジアスターゼ)が血中、尿中に増えてくる。 ○130〜390(I.U.)
ヘモグロビンA1c 1〜3ヵ月前の平均血糖状態を反映できる。 ○5.8%未満


白血球数
(WBC)
感染症、炎症を知る手がかりとなる。白血球が少ないときは病気になりやすい状態といえる。 ○4,000〜9,000/mm3
赤血球数
(RBC)
貧血の場合は低い値を示す。循環器障害やタバコの吸いすぎなどの場合は高い値を示す。 ○男410〜530
○女380〜480 (×104/mm3
血色素量
(Hb)
赤血球内に大量に存在し、体内で酸素の運搬をする役割をもっている。ヘモグロビンが少ないと酸欠状態になり、めまい、頭痛などの貧血の症状が出る。 ○男14.0〜18.0
○女12.0〜16.0 (g/dl)
ヘマトクリット値
(Ht)
血液中に占める赤血球の割合。 ○男38.0〜52.0
○女35.0〜48.0 (%)



消化器X線検査 レントゲン撮影により、上部消化管の変形の有無をチェックする。 発見できる主な病気
食道、胃、十二指腸などにできたがん、潰瘍、ポリープや胆石など。
腹部超音波検査 超音波エコーにより、下部消化管の変形の有無をチェックする。 発見できる主な病気
胆石症、腎結石症、肝臓がん、胆のうポリープ、膵炎など
便潜血 糞便に肉眼ではわからない出血があるか否かをチェックし、下部消化器の潰瘍やガンを発見するための手がかりとする。
陽性(−)
疑陽性(±)
  陽性(+1以上)



乳房検査 視触診やマンモグラフィまたは超音波検査で乳がんなどの有無をチェックする。 乳がんは早期発見で治りやすいがんで、自己診断は生理が終って1週間後ぐらいがよく、しこりを発見した際はすぐに専門医の診断を受けること。
子宮検査 細胞診により子宮頸がんなどの有無をチェックする。 自己採取法で比較的簡単に検体が採取可能なので、定期的におこなうことが望ましい。
▼ その結果 ▼
2.当組合の健診結果判定区分
異常なし 今回の検査では異常を認めません。
心配なし わずかに異常を認めますが、日常生活においては心配ありません。
12ヵ月後要観察 やや異常が認められますので、定期的に検査を行い、経過を観察する必要があります。
6ヵ月後要観察
3ヵ月後要観察
1ヵ月後要観察
要再検 再度検査を行い、異常の有無を確認する必要があります。
要精検 さらにくわしい検査を行い、異常の有無を確認する必要があります。
要治療 異常が認められますので、医師のもとで治療を受けてください。
要継続治療 主治医の指示にしたがって治療を続けてください。


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