2015年6月15日更新
●梅雨時の体調管理 ③食中毒対策を確認しよう!
食中毒の原因となるのは主に細菌とウイルスですが、梅雨の時期に増えるのが細菌による食中毒です。湿度も気温も高くなる梅雨の時期は、食品などに付着した細菌が繁殖しやすくなります。
食中毒にかかると、腹痛、下痢、おう吐、発熱などの症状が現れます。特に、乳幼児や高齢者、妊婦、持病のある人は重症化しやすいので、しっかりと予防しましょう!
◆ 細菌による食中毒で、最も多い「カンピロバクター」
鶏や牛などの家畜だけでなく、ペットなどの腸にもすむ菌。生や加熱不足の肉料理や、肉類からほかの食品や調理器具などが二次汚染されることによって感染します。2~5日の潜伏期間を経て発症し、通常は1週間程度で治ります。
■ カンピロバクター対策 ■
- 肉類を調理するときは、中心温度75度以上で1分以上を目安に加熱しましょう。
- 肉類とほかの食品では、調理器具や容器を分けて処理・保存しましょう。
- 肉類を触ったあとはすぐに手を洗いましょう。また、使用した調理器具はていねいに洗って熱湯消毒しましょう。
◆ 寄生虫による食中毒にも注意!
「細菌」と「ウイルス」だけでなく、最近は「寄生虫」による食中毒も増えつつあります。原因の大半は「アニサキス」という寄生虫で、サバやサンマ、サケやイカなどに寄生しています。通常は生で食べても排せつされますが、まれに胃や腸壁に進入して、激しい腹痛等の症状を引き起こします。
■ アニサキス対策 ■
- 魚の内臓は早めに取り除き、内臓に近い部分にアニサキスがいないかよく見ましょう。(アニサキスは目に見える大きさです。)
- 熱に弱い(60度・数秒で死滅)ので、魚介類はしっかり焼きましょう。
★ 食中毒の予防のポイント ★
まず、こまめに手洗いをすることが基本です。
調理器具は使い終わったらすぐに洗って、熱湯や塩素系漂白剤などで殺菌しましょう。また、包丁やまな板は、できれば「肉用」「魚用」「野菜用」で使い分けましょう。
加熱調理するときは、中心部75度以上で1分以上を目安に、しっかり中心まで火を通しましょう。
残った食品は、浅めの容器に小分けにして冷ました後、冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
これからの季節は、お弁当にも注意が必要です!
- 水分を減らす
水分は雑菌繁殖のもとなので、生野菜は塩もみしたり茹でたりして水分を出し、肉や魚は揚げたり焼いたりしましょう。
煮物などは片栗粉でとろみをつけたり、キッチンペーパーで汁気を取り除いて入れましょう。 - 冷ましてから詰める
細菌は高温多湿で増殖しやすいので、おかずは冷ましてから詰めましょう。 - 殺菌作用のある食材等を活用する
梅干、スパイス、にんにく、酢などは細菌の増殖を防ぐといわれています。 - 涼しいところに保管する
涼しいところに保管して、早めに食べましょう。
それができない場合は、保冷剤やクーラーボックスを使いましょう。
保冷剤の代わりに、凍らせたゼリーやジュースなどを入れるのも効果的です。