2017年2月13日更新
●冬の健康対策を万全に ②ヒートショックに気をつけよう
寒い日に熱いお風呂につかると気持ちがいいですね。しかし、冬は入浴中に意識を失って溺れる事故が起きやすくなります。これは、急激な温度変化によって体調不良となる「ヒートショック」が原因です。命にかかわる場合も少なくありません。
家の中の温度差に気をつけて、ヒートショックを防ぎましょう。
ヒートショックが起こる場面
冬は家の中でも場所によって温度差が大きくなるため、ヒートショックが起こりやすくなります。入浴時や、部屋を移動するときは注意が必要です。
< 暖かい部屋から寒い脱衣所へ行って、服を脱いだとき >
体温が急激に下がるので、体温調節のために血管が収縮して、血圧が上昇します。脳卒中や心筋梗塞の引き金になることもあります。
< 熱いお風呂に入ったとき >
42℃以上のお湯に入ると、からだがお湯の熱さに驚いて、血圧が上がります。このとき、脳卒中などを引き起こすと、浴槽で意識を失って、溺れてしまう危険があります。
< お風呂に入ってしばらくたったとき >
熱いお風呂につかっていると、しだいに血行がよくなり、血圧が下がってきます。この状態がつづくと、脳や心臓への血液が不足して意識障害や不整脈を起こす可能性があります。
安全にお風呂を楽しもう!
湯船につかる文化をもつ日本だからこそ、入浴中の事故が起こりやすくなります。特に高齢者、高血圧や肥満などの生活習慣病を持つ中高年の方は、ヒートショックを起こしやすいので注意が必要です。
安全なお風呂の入り方を身に付けて、バスタイムを楽しみましょう。
< 食事や飲酒のあとは、しばらく入浴を控える >
食事の後は、食べ物の消化を促すために血液が消化器官に集まるので、血圧は低下しています。その状態で入浴すると血圧が急激に変化しやすいため、食後1時間くらいは入浴を控えましょう。
また、アルコールは血圧を低下させるだけでなく、意識も不確かにします。酔いがさめるまでは、入浴を避けましょう。
< お風呂に入る前に浴室を温めておく >
冬の浴室は大変冷え込むことも多く、他の部屋との温度差が20℃以上になる可能性もあるので、脱衣所に暖房器具を置くとよいでしょう。
浴室は、お湯をはるときに、ふたを開けっぱなしにする、シャワーで高い位置からお湯を張るなど、湯気を使って温めましょう。
< 入浴前にコップ1杯の水を飲む >
お風呂に入ると汗をかいて体内の水分が失われ、血液がドロドロになります。その状態で血圧が変動すると血管が詰まりやすく、脳卒中や心筋梗塞を招く恐れがあります。
入浴前には、血液をサラサラにしておくために、水分をとっておきましょう。
< お風呂は38~41℃の温度で >
42℃以上の熱いお湯につかると、血圧の変化が激しくなり、意識障害などを引き起こすおそれがあります。お湯の温度は41℃までにしておきましょう。
< シャワーやかけ湯をしてから湯船につかる >
湯船につかる前に、まずシャワーやかけ湯をしましょう。手足など心臓に遠いところから中心部に向かってお湯をかけていき、徐々に体を慣らしていきましょう。