2017年6月9日更新
●お互いの症状を悪化させる?歯とメタボリックシンドローム
~定期的な健診で自分の健康状態を把握しよう~
意外だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、近年の研究から、歯周病とメタボリックシンドロームはお互いに影響し合い、悪化させることがわかってきました。
どちらも重症化すると深刻な症状を引き起こしますが、初期はあまり自覚症状がありません。生活習慣を見直したり、定期的に健診を受けて、早めに病気の芽を摘んでおきましょう。
メタボリックシンドロームと歯周病の“危険な”関係
歯周病による噛む力の低下
肥満を防ぐためには、栄養バランスのよい食事を、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。
しかし、歯周病は症状が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまうため、放置すると歯がぐらぐらになって抜けてしまうことがあります。
歯に力が入らなければよく噛むこともできなくなり、食べるものが制限されるため、栄養バランスが低下します。
歯周病が原因でインスリンの働きが悪化
食後は血糖が増えますが、すい臓から分泌されるインスリンの働きによって、糖は細胞に取り込まれます。血中に入った歯周病菌は、このインスリンの働きを阻害するTNF-αという物質を増やし、糖尿病の発症・悪化を促進します。
肥満や糖尿病の人は歯周病を発症・重症化
しやすい
糖尿病にかかっていると、だ液の分泌量が減るため、歯周病菌が増殖します。また、免疫機能や組織修復力が低下し、歯周病を発症・進行しやすくなります。
生活習慣を見直して、健康な体を保とう!
歯周病や肥満、糖尿病にならないためには、今の生活習慣を見直し、リスクを減らすことが大切です。
健康な体を保つポイント
- 食事のときはよく噛んで食べる
- 適度な運動を習慣づける
- 質のよい睡眠をとる
- ストレスを上手に解消する
- 喫煙者の場合は禁煙する
- 健診は定期的に受ける