2018年11月7日更新
●冬の食中毒にご用心 ~ノロウイルスの感染予防をしましょう~
「食中毒」は夏に多く発生するイメージを持たれるかもしれませんが、年間の食中毒の患者数の約半分がノロウイルスであり、うち約7割が11月~2月の冬に発生しています。
ノロウイルスには抗ウイルス薬やワクチンはありません。感染力が強く、集団発生を起こしやすいので、正しい予防法と対処法を身につけ、感染を広めないようにしましょう。
高い感染力をもつノロウイルスとは?
ノロウイルスは、10~100個程度の非常に少ない数でも感染するほど、感染力が強いウイルスです。
主症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛等です。通常は1~2日のうちに自然に回復しますが、体力が弱っている方は脱水症状や肺炎を起こすこともあるため、注意が必要です。
また、下痢止めの薬を飲むと細菌を腸内に留めることになってしまい、症状を悪化させる場合もあります。症状が治まらない場合は医師の診察を受けましょう。
主な感染経路はどんな場所から?
人からの感染
- 感染した人のおう吐物やふん便などの処理が不適切なために起こる二次感染(ノロウイルスは乾燥すると空中に漂います。それを吸い込むことによって感染することがあるので、適切な処理が重要です。)
- 家庭、施設内等の場所で飛沫などにより感染
食べ物からの感染
- ウイルスに汚染された手指で調理した食品を食べる
- ウイルスが蓄積された二枚貝を、生や加熱不十分な状態で食べる
~予防のポイント!~
- 食事前、トイレの後、調理前後は、石けん・流水でしっかり手を洗う
- 調理器具は十分に洗浄・殺菌する(まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗う。また、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱消毒が有効)
- 魚介類や肉など、加熱が必要な食品は十分に加熱する(ノロウイルス汚染のおそれのある場合、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要)
- 患者のおう吐物やふん便の処理には、使い捨てのマスク、エプロン、ビニール手袋を着用する
- 調理器具やリネン類の消毒には、塩素系漂白剤(キッチンハイターやミルトン)を使用する (アルコール消毒はノロウイルスには効果がないため)
インフルエンザの予防は日頃の生活習慣から
毎日の手洗い・うがい・バランスのとれた食事を心がけ、予防につとめましょう。